【道場生向け】自宅でもできる鍛錬法リスト

自宅で長い時間を過ごし,運動不足になりがちの方も多いこの頃です。

そこで今回は家でも出来る鍛錬を,運動量だ段階して紹介します。

基本的には稽古中にやったことのある動作だと思いますが,改めて注意点等もまとめました。

音を立てずに行うことも可能ですので,是非暇なときに試してみて下さい。

音を立てない鍛錬法

レベル0:準備

鍛錬を始める前に,身体を動かす場所を用意しましょう。

手や足を振り回して何にもぶつからないのが理想ですが,身体操作に自身のある人であれば1畳程でも構いません。

服装は道着に似た動きやすく,絡まりにくいものを選んでください。

怪我をしたり物を壊さないように気を付けましょう。

レベル1:身体を目覚めさせる程度

①体操

身体を目覚めさせるのには体操が一番です。

身体のどこを解しているのか注意しながら,丁寧に行います。

この時,自分の身体の具合も確かめられるようにしましょう。

そして忘れがちなのが正しい呼吸です。

大きな声を出す必要はありませんが,普段番号を数えているような調子で呼吸を行って下さい。

②集力法

集力法の動きは合気道に必要となる様々な要素を含んでいます。

普段体操の最後に行う回数をこなせば,身体全体の筋肉を使うことになりますので目覚めにはぴったりです。

以下に気を付けるべき箇所を並べました。

・両足の踵(かかと)が地面についている

・足指が斜め前方を向いている

・膝が正面を向いている

・脇が閉じている

・背筋が伸びている

・逆腹式呼吸ができている

…等々

他にも留意すべき点はありますが全てを挙げればきりがありませんので,通常稽古で先生に言われていることを思い出しながら行って下さい。

レベル2:筋肉痛になりにくい程度

このレベルは通常稽古に参加出来ている方であれば筋肉痛にはならない程度のものです。

数週間運動を全くしてこなかった方などは,適宜休憩をとりながら慎重に行ってください。

①足体動作

家の中で足体動作を行う際は大きな音がたたないよう一歩一歩を丁寧に踏んで下さい。

注意すべき点は以下の通りです。

・手の構えを崩していない

・毎回最初の位置に戻れている

・腰が浮いたままになっていない

・呼吸

・予備動作

呼吸や予備動作は上級者向けになります。

それぞれの動作が持つ役割を思い出しながら滑らかに移動できるようにしましょう。

また,動作を出来るだけ遅くするのも効果的です。

正しい形なのに途中不安定になることがあれば,それは体幹が鍛えられていない証拠です。

ゆっくり動くことで必要な筋肉を鍛えましょう。

②受け身

受け身を家で練習する場合,稽古通りに行ってしまうと大きな音が発生します。

そこで以下には音を立てないで受け身をとるコツを並べました。

・前受身:床に倒れ込む前に膝を曲げて十分に体全体を床に近付けます。落下するように倒れると大きな音が出ますので,低い姿勢から前に飛び出すように倒れましょう。倒れる時は手を使って前への勢いを吸収します。掌底(手のひらの付け根)から着くと速度も調整しにくいですので,指先のバネも使います。突き指には十分気を付けて下さい。

・後受身:前受身と同様,倒れ込む前に姿勢を低くします。一歩目で十分に膝を曲げ,腰と床の距離を縮めましょう。手で床を叩くことはせず,腹筋の力で背中を丸く保ちます。一度床に平らになってしまうと起き上がるのが辛くなってしまうので,そこまで力を使いたくない場合は姿勢が丸いまま反動を利用するようにしましょう。

・横受身:後受身と同様,倒れる直前まで残る軸足を十分に曲げ,低い所から転がるようにします。手で床を叩くことはせず,胴体の接地面で衝撃を吸収しましょう。

・転身受身:狭い場所で行う場合は中体から自分の足下に潜るようなつもりでコンパクトに行います。転身後は床を叩きません。十分な場所を確保できない場合は,危険ですので行わないで下さい。

・後回転受身:後受身と同じく最初の一歩で勢いを殆ど吸収します。地面は叩きません。転がる際は背中から余計な力を抜くようにしましょう。また十分な場所が確保できない場合は危険ですので行わないで下さい。

・浮転身受身:道場で音を立てずにできる人は家でやってみても良いかもしれませんが,基本危険が予想されるので行わないで下さい。筆者が道場に滞在してきた中では少なくとも,出来ている人どころか挑戦している人さえ見たことが無いので,アドバイスできることは何もありません。万が一挑戦する場合は自分が加入している保険の適用範囲を熟読してからにしましょう。

音を立てずに受け身がとれるということは衝撃を自分自身で吸収出来ているということです。

実際に受け身を使う場合で,衝撃をどこに逃がすか選べるのは役に立つ能力となります。

更に,無音で行う前受身や後受身は腰回りのスタイル向上に繋がることが確認されています。

得する部分が多い鍛錬法ですので,是非普段から行ってみて下さい。

レベル3:筋肉痛になる程度

相氣一進流の動作は無駄がなくなって初めて一流といえます。

無駄な動きが無ければ必然的に運動量も少なくなってしまう為,筋肉痛を覚える程身体を動かす為には回数が必須です。

一方間違った方法で繰り返し練習してしまうと,身体は間違った動きを覚えてしまいます。

何回も行う場合は特に丁寧に,正しい動きが出来るよう心がけましょう。

自分の身体にひたすら向き合って動きを磨く行為は,脳を活性化させ退屈な日々には良い刺激となりえます。

最後に

体調を崩しているとき無理に運動するのは危険です。

健康でいられるよう,運動不足だけでなく食生活や衛生管理にも十分気をつけましょう!